採用内定者に対する懇親会等の費用

採用内定者の経費は交際費?

【Q】 採用内定者に対する正式雇用までに行う工場見学等や懇親会を行う際の費用は交際費に当たりませんか。

【A】

1.採用内定者に対する経費について

従業員の慰安のために行われる懇親会等について、通常要する費用は、交際費でなく福利厚生費となりますが( 社員旅行 参照 )、採用内定者はまだ従業員になっていませんので、この採用内定者に対する正式採用までの間の工場見学及び懇親会等に対する費用に関する処理について気になるところです。

採用内定後、正式採用までの間の工場見学及び懇親会など会社の業務の理解を目的とするものや内定者同士の親睦を深める事を目的とするようなものであれば、採用後の業務に役立つものでもあり、また、社会通念上一般的に行われているものでもあるため、通常要する費用は交際費には該当しないと考えられます。

ただし、採用内定者をつなぎとめるために、ホテル等で豪華な食事でもてなしたり、海外へ研修旅行に連れていくなど社会通念上、通常考えられる懇親の範囲を超えるようなものや会社の業務に関係のない演劇鑑賞会のようなものは、交際費に該当する可能性があります。

ポイント:現社員ではないとはいえ、採用内定者に対する見学会や懇親会など採用後の業務に役立つと考えられる常識の範囲内の経費は交際費にあたらないと考えられます。

2.インターンに対する経費について

最近は日本でも様々な企業でインターンシップ制度が取り入れられています。インターンシップ制度は採用内定前の職業体験を通じ、採用のミスマッチをなくすことや優秀な学生の囲い込みなどという理由で利用されているようですが、双方にとってもお互いをよく知ることができるというメリットあがあるので、その利用が最近増えてきているようです。

そこで、インターンシップ制度を採用した場合にかかる経費に関する処理について考えてみます。例えば、地方の学生を集める場合の交通費、宿泊代については採用前ではありますが、その経費は企業にとっては採用活動の一環であると考えられますので、常識の範囲内の金額であれば、福利厚生費というよりは採用活動のための経費(この場合、勘定科目としては旅費交通費)として計上することは問題ないと思います。また、インターン期間終了時等に行われる懇親会等の経費も常識の範囲内であれば交際費ではなく採用活動のための経費と考えても問題ないと思います。金額的には会議費と認められる基準が5,000円であることを考えますと懇親会の参加費用が1人当たり5,000円ぐらいまででしたら交際費として処理しなくても問題ないと思います。

ただし、インターンに対して職業体験ということで無給であれば、本人に対する給与課税の問題は生じませんが、作業のための日当はらったり、交通費の名目で実際かかる交際費を上回る金額を支払っている場合は本人に対する給与として所得税の対象となります。

ポイント:採用前のインターンに対する通常の範囲内の経費なら採用活動の経費として認められます。ただし、有給で働く場合は本人の給与として所得税の課税の対象となります。

名古屋の税理士 山田会計事務所へのお問い合わせ