名古屋の税理士の税務調査体験記

税務調査の流れ(体験記)

なかなか経験することがない税務調査。ここでは、私の体験の中から標準的な税務調査の姿を記載していきます。
調査の日程は、会社の規模によって異なりますので、ここでは売上1億円未満の法人をイメージしてお話します。

1.事前準備

事前に電話連絡があり、代表者及び税理士と調整し、日程を決定いたします。
調査官1人か2人で調査日数2日間というのが一般的です。組み合わせとしては中堅クラスもしくはベテランと若手という組み合わせが多いです。

税務調査の場所は、一般的なのは会社の応接室等です。ただし、専用の部屋がない、従業員に聞かれたくないということであれば、別途ホテルの会議室を借りたり、税務署の中の応接室、税理士事務所の応接でということもございました。

スタートは10時ごろ、途中お昼休憩(12時~13時の1時間)をはさみ、16時過ぎに終了というのが標準的な日程です。税務職員の方は公務員ですのであまり残業を望まないせいか終了時間については調査が白熱し思わず延長ということにはあまりなりません。時間になると「そろそろここらへんで…」となることが多いです。

社長様の立会については調査時間中ずっと対応ということは求められません。初日の午前中、 2日目(終了日)の最後に最低限いていただければ大丈夫かと思います。ただし、社長様に確認しないとわからないことがあると課題として残ってしまう場合がありますので業務の合間に随時顔を出していただけた方がスムーズに進む場合があります。

2.初日

初日がまず自己紹介から始まります。
法人設立から今日に至るまでの会社の概況について尋ねてきます。
基本的には紳士的で、雑談のようなスタイルで聞いてくることが多いです。最初からケンカ腰や犯人扱いみたいな対応は通常の税務調査ではありません。話としては売上取引先、営業の方法、入金の仕組みなど税務調査に必要な内容を中心に訪ねてきます。事前にいろいろ調べてきますのでこの最初の時間で詳しく聞いてきた話が後の調査事項の話と関連してくることがありますので、聞かれたこと以上に話しすぎないことが肝要です。

初日の午後から書類調査に入ることが多いです。調査項目の順番としてはますは売上からです。売上の計上漏れ、意図的な除外、売上の期ずれ、売上とその対応する原価の対応関係などを会社が用意した総勘定元帳と見積書・契約書・請求書の控えや入金状況を突き合わせて調査したします。売上の調査のめどが立てば経費の調査へと進みます。若い調査官が主にひたすらノートに記録を取りながら、書類調査をすすめます。ベテラン調査官は書類を見ることはありますが、若い調査官への指示、社長への質問など中心に行います。

3.二日目

二日目も同じように続きます。初日の税務調査終了後、いったん所属の税務署に帰り、統括官などに報告をし、その報告に基づいて指示を受けてきます。したがって、初日の指摘のあった事項のうち、特に指示を受けてきたことに関して重点的に調べられることも多いです。また、逆に初日に指摘を受けていたことでも、「そこはまぁいいだろ」と言われてきたからか全く話題に出なくなることもあります。売上の調査が一通り終わっていれば、経費の調査中心になります。元帳を概観して、金額が大きいもの、イレギュラーな取引と思われるものを中心に関係する原始証票と突き合わせていき問題がないかを確認していきます。すべての取引を領収書等と突き合わせていくわけではありませんが、相手も調査のプロですから異常のありそうなところは確実に抽出してきます。和やかなムードで調査は基本的に進んでいきますが、鋭いところを突いてきますので油断は禁物です。店舗倉庫や工場がある業種ですと、倉庫や工場の現地調査を行います。その際、在庫等の管理状況や端材や滞留品などの計上漏れについて聞かれます。
その他、契約書等に貼る印紙の貼り漏れについて調べられることがあります。
帰る際には、今回の調査で指摘した点についてこの辺が問題だと考えているという話がありますが、最終的には上司である統括官、税務署の審理担当、税務署長などに承認を取り調査結果が決まりますので調査の現場ですぐ結論が出ることはありません。