3.営業活動によるキャッシュ・フローの作り方

3.営業活動によるキャッシュ・フロー

1.現金・預金

キャッシュフロー計算書を間接法で作成する場合前期末の資産負債残高と当期末の資産負債残高の増減差額に基づいて作成します。このことを各勘定科目別にみていきましょう。

まずは現金で考えてみます。

現金・預金について前期末が200で、当期末が300で増減額が100とします。

キャッシュフロー計算書(間接法)を作成する場合、各科目の増減額から作成していますが、現金・預金の場合は現金・預金がキャッシュフロー計算書で計算されるキャッシュそのものであることから、他の科目とは扱いが異なります。

前期末の現金・預金 200⇒Ⅵ現金及び現金同等物の期首残高200

当期末の現金・預金 300⇒Ⅶ現金及び現金同等物の期末残高300

増減額 100⇒Ⅴ現金及び現金同等物の増加額100

現金・預金の前期末残高がキャッシュフロー計算書の末尾Ⅵ現金及び現金同等物の期首残高になり、当期末残高がキャッシュフロー計算書の末尾Ⅶ現金及び現金同等物の期末残高になります。そして増減額の内訳をその上で計算するという構造になっています。

(CF仕訳)

(借)現金・預金          200 (貸)現金及び現金同等物の期首残高200

(借)現金及び現金同等物の期末残高 300 (貸)現金・預金         300

2..売掛金・売上債権

(1)売掛金の基本的な考え方

損益計算書で計上される売上高は、その期で資金流入のあった売上高ばかりではありません。その期では資金未回収のものでも当期中に販売したものについては売掛金で売上に計上されています。

そのため、キャッシュフロー計算書では現実に資金流入のあった売上になるように

①売掛金で計上された売上は取り消さなければならない

と同時に

②前期末に売上を計上したけれども当期に入金になった分は資金流入のプラス

にしなければなりません。

すなわち、売掛金の調整をすることにより、当期計上されている売上高を実際の資金

流入した売上高に調整するのです。

損益計算書の売上高は背景が黄色の部分です

前期末売掛金  当期入金のあった売上高   当期末売掛金

しかし、実際に資金流入があったのは背景が青い部分です

前期末売掛金  当期入金のあった売上高  当期末売掛金

したがって

キャッシュフロー計算書上、損益計算書の売上に対し、前期売掛金の入金分を加算し、入金のない当期末売掛金減算する必要があります。

前期末売掛金のすべてが入金されるとは限らないのですが、入金のない分は当期末売掛金に含まれてきますのでそのあたりは気にしなくても大丈夫です。

簡単な説例で確認してみましょう

① 期末売掛金が前期末売掛金より増加した場合(期首残高 0の場合)

売掛金の前期末残高が0、当期末残高が300で増減額が△300とします。

期末売掛金の増加に伴って計上された売上は資金未回収のため、キャッシュフロー計算上取り消す必要があります。

(借)売上債権の増加額(C/F)  300  (貸)売掛金      300

キャッシュフロー計算書

税金等調整前当期純利益A

売上債権の増加額 △300

営業活動によるキャッシュフロー A-300

※売上債権の増加はキャッシュフロー計算書上ではマイナスとなっていることに要注意!

② 期末売掛金が前期末売掛金より減少した場合(期末残高 0の場合)

売掛金の前期末残高が200、当期末残高が0で増減額が200とします。

期首売掛金の回収に伴って流入してきた資金について、キャッシュフロー計算書上プラスする必要があります。

(借)売掛金       200  (貸)売上債権の減少額(C/F)    200

キャッシュフロー計算書

税金等調整前当期純利益A

売上債権の減少額+200

営業活動によるキャッシュフロー A+200

※売上債権の減少となっていますがキャッシュフロー計算書上ではプラスとなっていることに要注意!

③ ①と②の複合ケース

売掛金の前期末残高が200、当期末残高が300で増減額が△100とします。

期末売掛金に係る資金未回収分を、キャッシュフロー計算上取り消すのと同時に、期首売掛金に係る回収分について、キャッシュフロー計算書上プラスする必要があります。その場合、本ケースのように期首と期末の残高を比較して期末の方が増加していた場合はその差額分をキャッシュフローのマイナスとしてやれば、結果的に期末売掛金にかかるキャッシュフローのマイナスと期首売掛金にかかるキャッシュフローのプラスを相殺して表示することになります。

(CF仕訳)

(借)売上債権の増減額(C/F) 100  (貸)売掛金       100

キャッシュフロー計算書

税金等調整前当期純利益A

売上債権の増加額△100

営業活動によるキャッシュフロー A-100

逆に、期末売掛金が前期末売掛金より減少した場合は以下のようになります。

(借)売掛金       100  (貸)売上債権の減少額(C/F) 100

キャッシュフロー計算書

税金等調整前当期純利益A

売上債権の減少額△100

営業活動によるキャッシュフロー A+100

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